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世界一贅沢な美術鑑賞

世界一贅沢な美術鑑賞って??
12月4日の14時半に、石見美術館の展示室Aにお集まりくださった方は、体験していただけましたよね!
この日、「活弁と生演奏のギャラリートーク 名画をいろどる話芸と音楽」を開催しました。
石見美術館のコレクションに3人の音楽家が曲を作って演奏し、活動弁士(無声映画の説明をする弁士)が絵の説明をするというスペシャルイベントの第2弾。

展示室Aの赤い床にピアノ、ドラムセット、そしてサックス・フルート・クラリネットといった楽器がよく映えます!そして今回はフロックコート姿の弁士にあわせ、音楽家も黒いスーツに金の蝶ネクタイで、会場の雰囲気とばっちりマッチしていました。

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今回は「開館5周年記念 5人の学芸員が選ぶコレクションベスト5!」と題した展覧会の会場での上演。
展覧会では当館の5名の学芸員がそれぞれ5点ずつ選んで計25点を展示していますが、このイベントでは各自が「これぞ」と思う1点を選んで、ギャラリートークの対象にしてもらいました。

まずは活動弁士・坂本頼光が、大正時代に池田輝方が描いた屏風「絵師多賀朝湖流さる」を活弁で解説。
本来は元禄時代に島流しにあった絵師を船着き場で見送った人々の嘆きを描いた絵なのですが・・・
なぜか借金取りに追われる俳人の物語、はたまた鬼退治をした桃太郎一行の船を待ちかまえる欲深な人々の物語に大変身。描かれた人物たちのドラマを、声色を替えながらコミカルに演じました。
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これは学芸員のギャラリートークでは絶対できないワザ!
活動弁士のパイオニア・徳川夢声の生誕地である益田で、若い弁士が新たな世界を切り開いた瞬間でした!

続いてランバンのドレスに打楽器奏者の小林武文が、モダンガールを描いた巨大な日本画にサクソフォン奏者の鈴木広志が、そして藤田嗣治の女性と猫の肖像にピアニスト大口俊輔が、それぞれの作品のために書きおろした曲を演奏。選んだ学芸員が感極まって涙ぐんだり、楽しさのあまり踊り出したりするほどの素敵な曲でした。

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最後に、重要美術品指定の江戸初期の風俗画「舞踊図屏風」に、4人総がかりで挑戦!
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まずはたくさんの人数が描かれている風俗画の楽しみ方の王道、「気になる人物さがし」。
3人の音楽家が発見した「1人だけみんなと離れたところで踊りを見ている若衆」「三味線をアクロバティックなポーズで弾いている芸人」「喧嘩をしているカブキ者と、それを止める人々」を題材に3曲を披露。
特に、鈴木広志による「サックスで演奏する三味線の音」には観客もビックリ!やんやの拍手を浴びていました。

そしてラストに坂本頼光が名調子で語る見どころにお囃子が重なり、屏風の世界観を表現した粋でエネルギッシュな曲が演奏され、大いに会場が沸きました。

美術館のコレクションの魅力、舞台ではない至近距離での演奏、そして弁士独特の語りの3つが同時に味わえる、他にはないひととき。これこそ世界一贅沢な美術鑑賞だと思いませんか?

次はいつになるか分かりませんが、ぜひまた、この素敵な四人組をお招きしたいものです。

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(Y.K.)


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