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オペラ「夕鶴」 指揮者・現田茂夫さん独占インタビュー~④指揮に期待されているものとは?~

 2014年2月11日(火)に開催される、オペラ「夕鶴」。
 今回、オペラ「夕鶴」の指揮者・現田茂夫さんに独占インタビューすることができました。その内容を5回に分けて、ご紹介させていただきます。




オペラを制作する上で、指揮者に期待されているものは何だとお考えですか?

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 團先生がこの作品を中心になって指揮されていたころ、僕自身は学生の身で、アシスタントとして團先生についていました。もう30年も前の話です。先生がよくおっしゃっていたのは「作曲家團伊玖磨は作曲家團伊玖磨、指揮者團伊玖磨は指揮者團伊玖磨」という言葉です。例えば、演奏する楽譜はご自身で書かれたものであっても、楽譜に書いていないこと、例えば「ゆっくりする」とか「大きくする」とか、経験としてこうした方がいいと思われたところはそのようにしていろいろ変更なさっていました。変更はしているが、印刷された楽譜には書かれない・・・。ぼくはお聞きしたことがあるんです。「ここは楽譜には書かれていないですけどゆっくりした方がいいんですよね?」すると、「現田さんがおやりになるときには現田さんがお考えなさい。ぼくは今指揮者としてゆっくりした方がいいと思ったのでゆっくりしたんです。作曲家として作曲したときにはそうは思わなかったので書かなかったのです」というようなニュアンスでおっしゃったんですね。それは良くわかるんです。絵を描いても飾ってみたら気に入らなかったから手を入れる、とかありますよね。そのように、実際にオペラ「夕鶴」を團先生が指揮された状況というのは今でもよく覚えています。ですから、それは踏襲していきます。

 僕自身、團先生以外にも多くのマエストロのオペラをアシストしてきましたし、僕が一番よく指揮しているオペラは「夕鶴」かもしれません。しかしながら、指揮しているうちに、なぜこう書いているのか、書いているのにどうして團先生がああいう仕方をされたのか疑問に思ったり発見したりしたことがたくさんあるんです。楽譜というのはそこが面白くて、数式と違ってなかなか答えが出ない、というか答えがないんですね。単純に言うと、「強く」といってもどれくらい「強く」なのか、「速く」といってもどれくらい「速く」なのかは人それぞれで、みんな感じ方・伝わり方がそれぞれでしょう。そうした種々雑多なものが集まって1つの塊としてお客様にアピールできるものが出来てくるわけです。

 たとえば今回のオペラではもちろんつうが主役なのですが、作品の中でも与ひょうや脇役の存在で主役が光る部分、オーケストラで光る部分というものがあって、その見極めが指揮者の大きな役割だと思っています。

 具体的に言うと、我々オーケストラはオーケストラピットに隠れているわけですが、その中で舞台全体が見える場所にいるのは僕しかいません。演奏者には舞台上あるいは舞台全体は見えませんから。舞台上の役者達はお客さんを見ながら動くのでまわりの照明さんや大道具さんは見えていません。ですから、お客さんと同じ立場でありながらお客さんを先導していく立場として舞台を制御できる人間は、指揮者以外にはいないんですよ。そういう意味で、お客さんに観ていただく状態が本当にこれで大丈夫かどうかを最終判断することは僕に委ねられています。指揮者というのは、オペラに関わるすべてのスタッフの動向をコントロールしながら、舞台上が一体となったものをお客様に届けるという大事な立場にあるのではないかと、つくづくそう思っています。



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